2016年10月4日火曜日

血の味が口の中に広がる長距離マラソン
喉から胃に染み込んでいくコーヒー
指先からヒシヒシ伝わるささくれ
アルコールが入って鼓動が増していく心臓
全身の細胞に響いていく爆音のライブ音楽
青は青でも微妙に履き心地が違うデニム
火傷するくらい燃え上がる砂浜伝う足の裏
踊るようにはさみを滑らせる美容師の指先
毎日変わる眉毛に隠れる君の喜怒哀楽
何もしなくても動きを止めぬ秒針の音
全てが、
毎日の感覚が、
今この瞬間が。


(KAMI)

2016年10月3日月曜日

昨日のこと

せっかくリップクリーム
塗ったのに なんて
不意に重ねた僕に
少し不機嫌な君が
それでも
生でいいよ と言って
モゾモゾと動いている
生ぬるい発泡酒の缶と
ふたりの距離感は

ちっとも かわらなかったんだ

(園田 遼弥)

2016年10月2日日曜日

金曜日

薄暗い道に、
ボロボロの赤提灯が見えた。
今にも消えそうに電球が光っている。

ヨロヨロとした足取りで席に着く。
とりあえず生ビール。
そう注文した男たちの
顔はすでに赤らめている。

すでにどこかで飲んできたのだろう。
彼らは一二杯飲み終ると、
すぐに店をでていった。

この通りは生ゴミの匂いで臭い。
酒臭い男たちが気にすることでもないが。

いや、あともう一杯。
暗闇の中に消える背中がそう言っているように見えた。

(たこやき)

言葉の中の生き物

びちゃびちゃと生臭いにおい
夜目が覚めて
ベッドの下を覗くと
そこには広い海があって、
魚達がどんなに言葉を食べても
腹が満たされないと泣いている

いっそ叫べよ
僕はこんなにも
どうしようもなく生臭いものだと

けれども
水面には死んだ言葉がぷかぷかと浮いていて、
遠くに流されては
見ず知らずの者の腹を満たしていく

君の中のやつらが覚める朝、

君はゆっくり死んでゆく

(J)