メールが来た
集合時間:お好きな時に
持ち物:飲めない酒と嫌いな詩集
ある時は図書館で、
またある時は公園の芝生に寝転んでいる。
定食屋で唐揚げ定食を平らげてから
パーティにぴったりの場所がないか探しに行く。
「さっきの唐揚げ、鶏何匹分なんだろうね」なんて話しをながら。
そして落ち着ける場所が見つかると、誰かが音楽を流し始め、
パーティが始まる。
あの時初めて聴いた曲は
今ではお気に入りの一曲。
あの時飲めなかったお酒だって、
気づくと自分で買って飲んでいたりする。
嫌いな詩集が気になる詩集になるかもしれない。
何を話すでなく、ただ心地よい気分だけがその場に漂う。
ふと誰かが詩を読み始める
するとまた誰かが詩を読み始める
手持ちの詩がなくなると
今度は自分たちで詩を作り始める
言葉をかき集め、
イメージを絞り出して、
声に出す。
偶然が偶然を呼んで、言葉の鎖がつながる
ぎこちないけれど不思議な世界。
気づけば終電間近
出しそびれた言葉はポケットにしまっておく。
また来週、出してみよう。
L
(2016年の春頃)