クレソンという名を聞いたとき
しどろもどろな根っこを引っこ抜かれた
触れた言葉は戸惑う頭の隅
触れたことない手と踊りだし
老人をかぶった若者の足跡の先
清流の隅っこに生える名前を導かれた
冷えた言葉は悴む指の端
するりと抜ける根の感覚と歌いだし
影を作る明日の満月と骨組みの変わらない傘
忘れてもソーセージは待っている
食べようぞ クレソンを添えて
コーヒーの香りが起こす朝
ひとは根っこを生やしに出掛けてく
年輪を泳ぐ魚と白鯨のキスを忘れて
2015年5月
蓼科 パルナソス にて
だいち
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