すっと雲に切れ目を入れるとき
こぼれ落ちるあの色が欲しい。
ネコ屋敷の庭にある樹の香りにあらぬ妄想
手には赤いチューブが一本。
ヒビ割れたアスファルトが染まるその色は
あの子の手帳カバーのようで
カゼ薬のようで
囚人服のような色だった。
黄色いチューブを持っているのは誰?
筆もパレットもいらない
作り方は知っているから。
太陽があくびし始めるときの
目にしみるあの色が欲しい。
あと8分すれば消えてしまうから
甘酸っぱい果実だけではもの足りないから
黄色いチューブを持っているのは誰?
私には赤いチューブしかないのだから。
L
09182014
富士山の近くでワイン等を嗜みながら
0 件のコメント:
コメントを投稿