2014年5月16日金曜日
からのなか
吐き気を催す親友にすがるしかないと君は言う
ならば君は自分のかけらさえもみいだせないだろう
城の中で君主を気取っていてもパレードの中では群集の一人
十字架をかかげる病院で君は注射器の毒で殺される
スーツで二重あごの男は君に億万の富を約束する
母親がくれる涙は全部排水溝の中に流れていく
こんな馬鹿な気持ちをどうしようか
私は友と呼べる人もいないのだ
2014年5月5日月曜日
落下
ペンシルバニアからピオリアへ
国境のスタンプで真っ赤になった小包を運ぶボーイング
88セント ウイスキーを垂らしたブラックコーヒー
をぐいっと喉に流しこむ
胃腸に空虚な穴があく
蛆がわく 歓楽街でダンスする
時計台の映画スター
まっさかさまに落ちていく
死に神に足りないのはユーモアだけだと
ぼやいた詩人も落ちていく
渋谷のスクランブル交差点の中心にブラジル行のメトロが走る
まっさかさまに落ちていく
ひと ひと ひと ひと ひと エトセトラ
古い友達 手を振って別れたあとでピエロの化粧をおとしている
穴があったら落ちればいい
どこまでも どこまでも落ちればいい
重力の法則を塗り替えればいい
いつまでも いつまでも塗り替えればいい
2014年5月3日土曜日
5月1日木曜日
第一
夜の公園で友と飲む
盲目の女優の噂をする
朝日浴びるまで盆踊り続く
街路樹を走り抜ける黒猫は眠らない
口から吐き出すスーツのような
テプラポルンと夜の列車を見送る
ポケットの中の相棒は息絶え絶えに
耳元で君の囁きと叫びを感じる
KHMSYLM
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